JR各線を巡る旅の記録

22北海道(99年)5日目


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1999年5月3日
【上尾幌】8:43発−(普通)→【根室】10:34着、11:06発(快速はなさき)→【釧路】13:06着、13:18発−(特急スーパーおおぞら8号)→【南千歳】16:31着、17:06発−(快速エアポート)→【新千歳空港】17:10着、17:32発−(快速エアポート)→【札幌】18:08着、19:40発−(快速いしかりライナー)→【上幌向】20:14着(健康ランド宿泊)

 ※根室本線の仕上げ(上尾幌−根室間)と、その後何か乗れないかと思ったが、結局千歳線と空港見物のみとなってしまった。根室に関してはあとで観光に行かなくてはならないと思っている。

 前日、釧路へ着いてからいとこの案内で観光をし、親戚の家へ行ったあと、上尾幌にある祖母の家に泊まった。本州とは全く違う道路とその運転方法に驚いた。北海道では絶対に運転できないと思った。列車の旅とはまた違った驚きがあったが、この間の内容は親戚モードであるので省略することとして、祖母に見送られて上尾幌駅から列車に乗ったところから再開することにする。

●根室本線(上尾幌−根室)

 上尾幌発8時43分の根室行きに乗車する。上尾幌駅は釧路と厚岸の中間に位置するため、すれ違いができるようになっており、現にほとんどここですれ違いが行われる。そのため、まわりの駅より多少大きくなっている。上りの釧路行きは駅舎の側のホームで、下りは向こう側まで線路を渡らなければならない。また、その2本の線路が並んでいるのではなく、上り用のホームが終わったところから下りのホームが始まっている。どこかでこのような形を見たような気がするが思い出せない。

 車内はやや混んでおり、ロングシートの部分に座る。この列車のロングシートではない部分の座席は、特急のように座席の方向を自由に変えられると思ったが、実は車両中央を向いて固定されているのである。そして、真ん中が向かい合わせになっている。つまり、半分の座席は常に進行方向に対して逆に座らされる座席となっている。

 列車は林の中を通る。木の下の草は笹である。また、所々小さな川が流れている。釧路湿原から遠くないところであり、その延長線の景色である。初めて見る景色はなく、昔(小学校3年)の時にここへ来たとき、何回も釧路−上尾幌間は往復しており、このような景色はよく覚えている。改めて見てみると、独特な景色である。

 尾幌を過ぎ、門静あたりから海が見える。厚岸湾が、内陸まで入り込んでいるためである。そのまま海沿いに走り厚岸に到着する。根室本線で言うと上尾幌から糸魚沢まで5駅が厚岸町である。それだけの広さであるので町の中心部は大きい。地図を見て初めて「町」の中心だったと気づくほど小さな町が多いが、ここは町の中心として十分な大きさがある。

 厚岸を出ると、厚岸湖のまわりを通ったりと、今までと趣が変わってくる。そして平野部を走ってそのうち山の中を走る。このあたりで、帰りにゆっくりと景色を見ることとして、今日の行程を考えていた。そのまま根室まで行って、すぐ帰るとしてどこかの路線を乗ってしまうことはできないか調べていた。石勝線の新夕張−夕張間、あるいは室蘭本線の岩見沢−沼ノ端(苫小牧)間、もしかして札沼線等と可能性を試していたが、どうしても暗い中を乗らなくてならない。千歳線に乗るのが手一杯である。(前回来たときは千歳線は南千歳−白石間が夜行列車のため乗ったことになっていない。)そう考えながら外を見ていると、初田牛・別当賀・落石・昆布盛・西和田あたりで海を望み高いところを走っており、それも崖になっていて、また植物が違っていた。帰りにゆっくり見ることにするが、稚内同様、全く別の世界であった。本州内のよく似た景色ばかり細かく乗りつぶしていないでこのようなところにもたまには来なくてはならない。

 そして、JRでもっとも東にある東根室に着く。高校生らしき人が何人も降りていく。大きくカーブしてしばらく走ると、根室に到着した。

 改札を通ると、沢山の人が並んでいた。乗ってきた列車は折り返し釧路へ行く快速列車となる。その発車が11時6分と、一泊してゆっくりして戻るにはちょうどよい時刻なのである。そのため、多くの人が並んでいた。とりあえず駅のまわりを歩く。納沙布岬行きのバスがあり、乗ろうかどうか迷う。今回は見送り、とりあえず、戻ることにする。ここへは親戚も近いしめったに来られない場所ではない。

 駅へ戻りトイレへ行く。北海道の駅のトイレの水を流す装置はかなり大げさである。冬の凍結防止である。この駅は特に大げさである。ボタンを押すと遠くから勢いよく水が流れてくる。流れてくるというより飛んでくるという感じである。面白くなってもう一回水を流して遊んでいた。

●根室本線(根室−新得)及び石勝線(新得−南千歳)

 改札の行列につく。観光客が多い。根室−釧路間は急行・特急はなく、このような快速列車が急行・特急の役割を果たしていることになる。しかし、なぜか1両しかない。どこかからもう1両来て、増結されることを期待したが、そのまま改札が始まってしまった。当然、よい席には座れず、ロングシートの客となってしまった。しかも座ってから乗客が増えてきて、立つ人も多く出てきた。

 帰りにゆっくりと見ようとした景色はゆっくりと見られなかった。ただ、日本離れした景色だけが強烈に印象に残っている。今度来たときは納沙布岬も含めてゆっくりと来たい。

 少し前に通った線をそのまま戻り、今回は上尾幌を通過する。下り列車が停車していた。そして、湿原のような景色を見ながらしだいに市街地となり釧路に到着した。

 釧路で、スーパーおおぞら8号に乗り換える。きちんと座れないのではないかと思っていたが、2人掛けを独占することができた。駅弁を買い、ホームの自動販売機で500mlペットボトルのお茶を買い、乗車する。

 北海道のスーパーおおぞら・北斗等は「車内販売」と言わず「ワゴンサービス」という。また、「車内販売員」ではなく「客室乗務員」である。「客室乗務員」は「ワゴンサービス」で持参する商品の説明だけでなく、停車駅の説明もする。車掌の業務も一部行っている。車内の設備と含めて、飛行機に乗った気分になる。その飛行機のような車両と同じ線を走っている普通列車は、1両だけで、しかもワンマンカーである。普通列車と特急列車がこれだけ違いがあるのも珍しい。今度来たときはゆっくり新得−釧路間は普通列車に乗りたいと思う。

 帯広からは本来多くの乗客が乗ってくるはずだが、数分あとに「とかち」が運転されるため、ホームの客はほとんど乗ってこない。おかげでゆっくりと景色を楽しむことができた。ただ、特急で高速で通り過ぎると、どうしても景色を詳細に見ることができない。アウトラインをつかむのには適している。

 新得から、扱い上は石勝線であるが、途中の信号場まで根室本線と共用なので昨日は「根室本線」として、今日は「石勝線」として同じ線路を走る。その区間が昨日通ったヘアピンカーブの区間であり、かなり長い。

 ようやく根室本線と別れ、本当に石勝線にはいる。ここからトマムまで距離は長いが、普通列車の走っていない区間である。そのため青春18きっぷでも特急に乗れてしまう区間である。そのような山の中を走り、新夕張で乗れなかった夕張行きの石勝線の線路を眺め、追分で炭坑線の残骸、なぜか複線で堂々としたローカル線室蘭本線を眺め、しばらくして南千歳に到着した。

●千歳線?(南千歳−新千歳空港−白石)及び函館本線(白石−札幌)

南千歳は以前、「千歳空港」駅であった。15〜16年前であるが、ここで降りて小松空港行きの飛行機に乗ったことがある。その後、新千歳空港ができ、鉄道の方もここから新千歳空港まで新しい線が開業した。その扱いをどうしようか迷っている。

 関西空港線の場合は、南海鉄道と共用で、というよりも、別の会社が所有していて、JRと南海はそこを使わせてもらっているという扱いらしい。成田空港行きも同様である。しかし、「関西空港線」の場合は阪和線の一部という扱いではなく、「関西空港線」という路線名が時刻表に載っている。しかし、成田空港の場合は「成田空港線」ではなく、成田線の一部になっているようである。

 千歳空港の場合は、「宮崎空港線」と同様、JR所有のJRのみが走る区間である。しかし、宮崎空港線の場合、独立した線名が時刻表で与えられているが、千歳空港の場合は、それが与えられていない。よって千歳線の一部か、それとも石勝線の延長かということになる。それとも線名が与えられていないのだろうか。

 国鉄時代からある路線は、いくら時刻表で線名が与えられていても、たとえば「埼京線」は、東北本線の一部であり、「横須賀線」の品川−新子安・東神奈川も、実は東海道本線の一部であるということは有名である。「京浜東北線」という路線も存在しないということは有名である。しかし、JRになってから開業したこれらの空港線はどうも定義がはっきりしない。とりあえず、自分の中で、「関西空港線」「宮崎空港線」は独立した線として、また、成田空港行は成田線の一部、新千歳空港行きは千歳線の一部として扱うことにする。正しいものが分かったら訂正することとする。

 話は元に戻して、南千歳駅である。まだ明るいし、(16時31分着)これから新しく乗るのは千歳線だけ(南千歳から札幌方面のみ)を予定しているので、この駅をゆっくり見てみることにする。

 ホームは空港駅だったときの名残もあり、広くなっている。ただし、今でも釧路方面の特急と、函館方面の特急の乗換駅でもあるため、また、空港から来た列車と釧路・苫小牧・函館方面の乗換駅でもあるのでその広さは無駄にはなっていない。

 跨線橋の入り口にはドアがある。橋上駅であるので、そのままにすると、上が寒くなってしまうための配慮である。改札口と出札口は空港らしくオープンカウンターになっている。このあたりは、過去の名残で必要以上に大きい造りである。

 改札を抜けると、そのまま昔の空港へ続いている通路がある。昔来たときはかなりにぎやかな通路であったが、今は誰も歩いていない。時間があるので歩いてみることにする。まず、国道36号線の歩道に出ることができるドアがある。広い道なので、道の両側に出ることができるように2ヶ所ある。おそらくこれが表口であろう。出てみると車がひっきりなしに通っている。

 再び通路に戻り、昔の空港へ行ってみる。両側には北海道内の各市町村の観光ポスターが貼られているが古くなっている。そのままだれも通らない通路を歩く。昔の空港の建物に着く。少し前までは何かレジャー施設のようなものがあったようだが、今はその建物はレンタカー屋にしか使われていないようである。そして、昔の空港の広い駐車場にそのレンタカーがたくさん停まっているのである。つまり、この通路は南千歳駅からレンタカー屋さんへ行くための通路だったのだ。

 南千歳駅へ引き返し、今度は空港があったところと反対側の出口へ出てみる。駐車場があり、バス停があるが、バスは1日2本だったかよく覚えていないがそれだけしかない。駐車場もひっそりとしている。工業団地かオフィス街のようなものを造成中のようであるが地図を見てみるとほとんど入居していない。これから伸びるところなのか、そのまま終わってしまうところなのか。ただし、空港に近いというのが好条件である。

 駅の待合室へ戻る。やや人がいる。どこから来てどこへ消えていく人たちなのだろうか。

 17時6分発の新千歳空港行きに乗る。駅を出てトンネルに入ってしまう。ここからはすべて地下である。トンネルの中にはデパートの広告が光っている。赤い光が暗い中に光って、列車の進行にあわせて付いてくるので、こちらから見ると止まっているように見える。

 17時10分に新千歳空港に到着する。地下駅に到着するが、この感覚はJR難波駅に似ている。

 せっかくなので新千歳空港を見てみることにする。例によって駅前に出るのだが、この場合「駅前」ではなく、すでに空港の入口になっている。それから、エスカレータで上へ行く。上へ行くほど空港らしくなってきて、そのうち搭乗手続きの場所などに着いてしまう。広島行きなど、鉄道では考えられないほど様々な行き先がある。

 しばらく、飛行機の客のような顔をして歩いていたが、どうも場違いのような気がして鉄道の駅へ向かって降りていく。周遊券なので自動改札を通ることを遠慮して、今まで小樽など自動改札のある駅でも駅員がいる改札を通っていたが、ここではじめて周遊券(短いサイズ)は自動改札が通過可能であることを教えられる。以後、自動改札を通ることにする。 

 17時32分発の列車に乗る。このような形の駅では、列車の最後尾が改札に近く、先頭が遠くなる。そのため、後ろの方が混んでいても前へ行くと1両に1人くらいしかいないことが多い。そこで一番前へ行くとそのとおり空いていた。

 そのまま地下を通り、地上へ出てさっきの南千歳駅である。札幌方面へ行くのでそのまま乗る。ここからは札幌の大都市近郊線であり、駅も高架化されているところが多い。そのため、本州の大都市近郊線と変わらないと思っていた。しかし、所々に北海道らしい林・牧場などがあり、道も広く、やはり違う景色である。本州から飛行機を降りて札幌へ向かうなら十分北海道らしさを感じることができると思う。ただし、釧路方面から来るとどうしても大都市近郊線という感じの方が強くなってしまう。

 そうしているうちに本当に町の中になってしまい、特急も停まる新札幌に着く。地下鉄の東西線がここから出ている。そして、白石から函館本線となりしばらくして18時8分、札幌に到着した。 

 

●函館本線(札幌−上幌向)

今日はこのあと、宿泊先へ行けばよい。明日、森−大沼間(渡島砂原経由)に乗りつつ、青森発19時42分発の日本海4号に間に合えば特に何をしてもかまわない。札沼線・室蘭本線(岩見沢−沼ノ端)・江差線などに乗れないか調べてみたがそれぞれに無理があり、今回はそのまま函館本線の未乗区間に乗ることができればそれでよいことにして、その他は何年後になるか分からないが次回ということにする。

 札幌でカプセルホテルなどに宿泊してもよいが、翌日は寝台列車に乗れるのでやめておいて例によって健康ランドということにする。苫小牧と岩見沢にそれぞれあることが分かっているが、苫小牧の方は詳しく調べていないため、場所のわかりやすい岩見沢まで行くことにする。直接岩見沢まで行ってもよいが、おみやげや、夕食のため少し札幌に滞在することにした。といっても駅のまわりに限定する。荷物を持って出歩く気がしなかったからである。

 夕食であるが、札幌へ来たのでラーメンを食べなくてはならない。本当は町の中へいって「おいしいラーメン屋」に行かなくてはならないが、面倒なので駅の中で適当に済ませることにする。高架下の食堂街をうろうろしていたが、満員のようだった。少しはずれたところに細い通路があり、そこにもラーメン屋があった。そこでラーメンとチャーハンのセットを食べる。札幌ラーメンはみそラーメンが中心であるが、あっさりとしたしょうゆラーメンだった。

 次におみやげを買うこととする。会社用に「白い恋人」を頼まれていたのでそれを買う。あと、ポッキーのジャンボサイズで地域限定版のもの(九州の辛子明太子味等)で、夕張メロン味があったのでそれも買う。あとは、「北海道のおみやげ」というものはよく親類から送ってもらっており、珍しくないためここで買わず、青森あたりで買うことにする。そのほうが珍しいからである。飛行機ではできない芸当である。

 みどりの窓口で、帰りの寝台が青森発ではなく函館発の分がないか再度聞いてみる。そのほうが、3時間ほど長く北海道に滞在できるからである。やはりなかった。快速「海峡」で津軽海峡を渡らなくてはならない。

 それだけの用事を済ませて、ホームへ行く。岩見沢の一つ前の上幌向で降りた方がよいようなので普通列車(江別までは快速)で行かなくてはならない。特急のホワイトアローあたりで岩見沢まで行き、普通列車で戻った方が早く着くようだが、面倒なのでやめることにする。

 ホームへ行くのが早かったのでしばらく待つことになる。しばらくすると、快速「いしかりライナー」が入ってきた。塗色は真っ赤である。二重窓であることとその他細かいところを除くと北陸本線を走っている普通列車と変わらない。(こちらは交流専用である。)札幌近郊も新しい普通列車がどんどん導入されているが、一部旧式も残っている。(電車の形式でいう「旧式」ではなく、あくまで相対的なもの。ここでは国鉄時代から走っているものをいう。)その旧式と、北陸本線の主流の列車が同じ形というのもなんとなく取り残されているような気がするが、国鉄時代の座席の方がよかったという意見が最近多く出てきており、座ることを考えたら国鉄時代からのものがよいような気がする。とにかく、いつも乗っているものと同じなので妙に落ち着く。

 19時40分札幌発。江別までは快速である。このあたりの駅は自動改札になり、「都会の駅」という感じが強くなってしまった。もう暗くなっているので例によって外は分からない。札幌−旭川間はまともに景色を見たことがない。めったに乗れない区間でもないので、次回のお楽しみということにする。

 江別から3駅目が上幌向である。岩見沢の一つ前で、国道に沿っている。駅舎も橋上駅で自動改札である。しかし、駅員がいない時間帯のため、自動改札の営業も終わっていた。

 この駅から岩見沢の方向へ5分強歩くと、「岩見沢健康ランド」に着く。今回健康ランド3泊目になるが、いつも最短距離で着くことができ、その健康ランドを紹介するホームページの作者には感謝を申し上げる次第である。

 
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